Stay hungry, stay foolish.

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GW後半!スティーブジョブスの自分の人生を通した3つのストーリーを観ると「今日」という日があらためて自分にとって特別で素晴らしい一日になるんじゃなかろうか。これからのGWが楽しいお休みの人も、あんまり楽しくないお休みの人も、お仕事の人も。

この「人生を通した3つのストーリー」は、Apple社の創設者スティーブジョブスがスタンフォード大学2005年卒業式で行った伝説のスピーチ。「大したことありません。たった3つです。」と始まるのだけど。

最初の話は、「点と点を繋ぐ」ことについて。
2番目の話は、「愛と失うこと」について。
3番目の目は、「死」について。

私はとくに3番目の『「死」について』の話には思い入れがある。なぜかというと、私の父も2008年に癌になり癌が判ってから10ヶ月で他界したのだけれどその10ヶ月という時間を父とどう向き合うかを教えてくれたのがこの話だったから。

私は父のことがすごく苦手で怖くて嫌いだった。だけど死を目の前にした父は今まで私が知っていた父とは別人になっていた。闘病している父の姿をまともに見ていることが出来なかった。死を待つ残されたわずかな時間の過ごし方を父と私たち家族は突然突きつけられた。

私は父が死ぬことが悲しいというより「このまま死なれたら父のことを嫌いなまま、なぜそうだったのか何も知らないまま終わってしまう。」そう思った。父とまともに会話をしたこともなければ、お見舞いに何を持って行ってあげたら喜ぶのか、そんなことすら分からない親子関係だったから。そのとき気がついたことは、私自身「愛着」というものが父にないことだった。

「愛着」とは人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている。人はそれぞれ特有の愛着スタイルをもっていて、どういう愛着スタイルをもつかにより、対人関係や愛情生活だけでなく、仕事の仕方や人生に対する姿勢まで大きく左右されるともいえる。

父と「愛着」関係を形成できていなかった私にとって、父と向き合う10ヶ月という時間を持てたことはとても幸福なことだと今振り返ってあらためて感じている。あの10ヶ月があったから、私はようやく「愛着」を再形成できたんだとも思う。

そして、スティーブジョブスのスピーチを毎晩観ていたあの10ヶ月、「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」そう自分に問いかけていた。


 

–下記3番目のストーリスピーチ文–

3つ目は、「死に関するお話」です。

私は17の時、こんなような言葉をどこかで読みました。確かこうです。

「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう。
そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう。」

それは私にとって強烈な印象を与える言葉でした。

そしてそれから現在に至るまで33年間、
私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。

「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」

それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くと、
そろそろ何かを変える必要があるなと、そう悟るわけです。

自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。

これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、
決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。

何故なら、ありとあらゆる物事はほとんど全て…
外部からの期待の全て、己のプライドの全て、屈辱や挫折に対する恐怖の全て…
こういったものは我々が死んだ瞬間に全て、きれいサッパリ消え去っていく以外ないものだからです。

そして後に残されるのは、本当に大事なことだけ。自分もいつかは死ぬ。
そのことを思い起こせば自分が何か失ってしまうんじゃないかという思考の落とし穴は回避できるし、
これは私の知る限り最善の防御策です。

君たちはもう素っ裸なんです。自分の心の赴くまま生きてならない理由など、何一つない。
 
今から1年ほど前、私は癌と診断されました。 朝の7時半にスキャンを受けたところ、私のすい臓にクッキリと腫瘍が映っていたんですね。私はその時まで、すい臓が何かも知らなかった。

医師たちは私に言いました。これは治療不能な癌の種別である、ほぼ断定していいと。生きて3ヶ月から6ヶ月、それ以上の寿命は望めないだろう、と。主治医は家に帰って仕事を片付けるよう、私に助言しました。これは医師の世界では「死に支度をしろ」という意味のコード(符牒)です。

それはつまり、子どもたちに今後10年の間に言っておきたいことがあるのなら思いつく限り全て、なんとか今のうちに伝えておけ、ということです。たった数ヶ月でね。

それはつまり、自分の家族がなるべく楽な気持ちで対処できるよう万事しっかりケリをつけろ、ということです。それはつまり、さよならを告げる、ということです。

私はその診断結果を丸1日抱えて過ごしました。

そしてその日の夕方遅く、バイオプシー(生検)を受け、喉から内視鏡を突っ込んで中を診てもらったんですね。内視鏡は胃を通って腸内に入り、そこから医師たちはすい臓に針で穴を開け腫瘍の細胞を幾つか採取しました。私は鎮静剤を服用していたのでよく分 からなかったんですが、その場に立ち会った妻から後で聞いた話によると、顕微鏡を覗いた医師が私の細胞を見た途端、急に泣き出したんだそうです。何故ならそれは、すい臓癌としては極めて稀な形状の腫瘍で、手術で直せる、そう分かったからなんです。

こうして私は手術を受け、ありがたいことに今も元気です。これは私がこれまで生きてきた中で最も、死に際に近づいた経験ということになります。この先何十年かは、これ以上近い経験はないものと願いたいですけどね。

以前の私にとって死は、意識すると役に立つことは立つんだけど純粋に頭の中の概念に過ぎませんでした。
でも、あれを経験した今だから前より多少は確信を持って君たちに言えることなんだが、誰も死にたい人なんていないんだよね。

天国に行きたいと願う人ですら、まさかそこに行くために死にたいとは思わない。にも関わらず死は我々みんなが共有する終着点なんだ。
かつてそこから逃れられた人は誰一人としていない。

そしてそれは、そうあるべきことだら、そういうことになっているんですよ。何故と言うなら、死はおそらく生が生んだ唯一無比の、最高の発明品だからです。それは生のチェンジエージェント、要するに 古きものを一掃して新しきものに道筋を作っていく働きのあるものなんです。

今この瞬間、新しきものと言ったらそれは他ならぬ君たちのことだ。しかしいつか遠くない将来、その君たちもだんだん古きものになっていって一掃される日が来る。とてもドラマチックな言い草で済まんけど、でもそれが紛れもない真実なんです。

君たちの時間は限られている。
だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。

ドグマという罠に、絡め取られてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っているんだ。だからそれ以外のことは全て、二の次でいい。

私が若い頃、”The Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)”というとんでもない出版物があって、同世代の間ではバイブルの一つになっていました。それはスチュアート・ブランドという男がここからそう遠くないメンローパークで製作したもので、彼の詩的なタッチが誌面を実に生き生きしたものに仕上げていました。

時代は60年代後半。パソコンやデスクトップ印刷がまだ普及する前の話ですから、媒体は全てタイプライターとはさみ、ポラロイドカメラで作っていた。だけど、それはまるでグーグルが出る35年前の時代に遡って出されたグーグルのペーパーバック版とも言うべきもので、理想に輝き、使えるツールと偉大な概念がそれこそページの端から溢れ返っている、そんな印刷物でした。

スチュアートと彼のチームはこの”The Whole Earth Catalogue”の発行を何度か重ね、コースを一通り走り切ってしまうと最終号を出した。それが70年代半ば。私はちょうど今の君たちと同じ年頃でした。最終号の背表紙には、まだ朝早い田舎道の写真が1枚ありました。

君が冒険の好きなタイプならヒッチハイクの途上で一度は出会う、そんな田舎道の写真です。写真の下にはこんな言葉が書かれていました。

「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」

それが断筆する彼らが最後に残した、お別れのメッセージでした。

「Stay hungry, stay foolish.」

それからというもの私は常に自分自身そうありたいと願い続けてきた。そして今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願って止みません。

Stay hungry, stay foolish.

スピーチ全文の日本語訳こちらからの抜粋

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