底つき体験

by John-Morgan
by John-Morgan

 

底つき体験

底つき体験とは?

「底つき体験」とは、「自分自身の努力ではどうにもならなくなった」という最終的な降参です。

つまり、自分の努力だけではにっちもさっちもいかなくなり、ようやく置かれた現状に危機感を感じ、問題に向き合い、回復しよう、改善しようという意識がめばえる、こと。

カウンセリングでは、この「底つき」の体験を待つよりも、本人の「こうありたい」という動機づけから、理想と現実の捉え方と行動パターンの矛盾にやんわりと気づかさせていく、という方法があります。それは、「底つき」に達してしまう前に、本人自らが問題を自覚し、解決しようという気持ちを引き起こさせるというアプローチです。

「底つき体験」にいきついてしまうと

「底つき」までいってしまうと、その後の回復や修正には相当な時間と努力が必要になるんですね。「自分ではどうにもならない」状態から這い上がるわけなので、その労力はなみ大抵のことではなく、「底つき」の状況になってから周囲に助けを求められればまだいいのですが、誰も力にになってくれなかったり、今さら…と逆に反発や抵抗にあってしまうことで、事態がさらに悪化するというケースも少なくありません。

事態を悪化させる「否認」

なので、そうなる前に本人もしくは周りの人が問題に気がつき、対処していければいいのだけど、なかなかそうもいかないケースもあります。

その理由の一つには、「自分が何かに依存または捉われている現状を認めようとしない」という否認が潜んでいます。

例えば、
「誰にも迷惑かけてない」「自分には何も問題がない」「周りが勝手に心配しているだけ」

と周囲からの支援やアドバイスを拒否したり、自分の心を守るために、あえて問題を直視しない行動が見受けられます。今メディアで話題になってしまっている女性お笑い芸人の方は、報道のままを見る限りで言うと、まさにこの「否認」の状態と言えるのかもしれないですね。

「アディクション(嗜癖)」から否認の理由を探る

「否認」の理由を考えるうえで、「アディクション(嗜癖)」という重要な概念があります。

アディクション(嗜癖)とは、「やめよう、やめようと思いながらも、やめることのできない悪い習慣に耽ってしまう」こと。

アディクション(嗜癖)の分類

アディクション(嗜癖)の分類は…

【物質嗜癖】アルコール依存症、各種薬物依存症、有機溶剤、砂糖、ニコチン など
【行為嗜癖(プロセス嗜癖)】病的な賭博をする、摂食障害、買い物依存、窃盗、放火 など
【関係嗜癖】共依存、恋愛依存、セックス依存 など

アディクション(嗜癖)による共通点

アディクション(嗜癖)に共通して認められる行動や症状は…

・適切な範囲をはるかに超えてしまう行動がある
・身近な家族や他者を巻き込む
・気分を劇的に変化させる作用を求めている
・背景には空虚さが存在している
・本当はその行為に対し強い否定感がある
・一度やめても再発することが多い

アディクション(嗜癖)によって陥る状況

アディクション(嗜癖)によって陥ってしまう状況は…

・秘密や嘘がふえていくことでの孤立、孤独感
・自己嫌悪や自尊心の低下
・自己憐憫がつよくなる
・突発的な怒りを自分でコントロールできなくなる
・生き甲斐を失う
・アルコールや薬物依存、摂食障害により身体が病む
・近くにいる家族の方が病んでしまう
・児童虐待や家庭内暴力を生じやすい
・ストレスに関連したメンタル面に問題を抱える

アディクション(嗜癖)をやめられない理由

アディクション(嗜癖)をなぜやめられないかというと、「自分の心が病んでいるという意識の欠如」もしくは、「強い否認」が考えられます。

日常生活の中で自分では「当たり前」と思っていることが、実は「意識の欠如」や「強い否認」によってアディクション(嗜癖)を後押ししている場合は、やはり周りのサポートが重要です。

ただこの周りのサポートが、アディクション(嗜癖)を強めてしまう場合もあります。ここで出てくるのが、「イネイブラー」と「イネイブリング」です。

「イネイブラー」と「イネイブリング」とは

イネイブラーは、「依存者の被害(巻き込まれや暴力など)に遭いながらも依存者を助けるつもりが、間違った支援をしてしまって、結果的に病気の進行に手を貸してしまう人」のこと。

イネイブリングは、「イネイブラーがとる援助行為や尻拭い行為」のことを言います。

●アルコール依存症の例でいうと…

依存者の行動:飲酒を続ける
イネイブラーの行動:飲酒をやめさせるために、酒を隠す・捨てる・お金を持たせない・見張る

依存者の行動:自分は信用されていないと思い込み、嫌な気持ちになる
イネイブラーの行動:酒をやめるようにしつこく説教する、否定する

依存者の行動:内心は飲酒がよくないとわかっているので、しつこく言われることに嫌な気持ちになったり、不快感をなくすためにさらに飲酒する
イネイブラーの行動:「次また飲んだら離婚する」などと脅す

このように、お酒に「依存している人」と「依存をやめさせたい人」両者の思いや努力がかみ合わず、悪循環に陥ってしまう場合、

「依存している人」は、周りの助けによって、自分で解決しようとはせず、むしろさらに状況を悪化させようと行動してしまい、

「依存をやめさせたい人」は、自分のアドバイスや行動が「さらなる依存」を生み出していることに気がつかず、依存者の「イネイブラー」として、意図とは反して、どんどん症状を悪化させてしまいます。

底つき体験までいったときには

かなり長くなってしまいましたが、底つき体験までいったときには、この順番で自分の状況をまず把握してみるといいと思います。

①自分のアディクション(嗜癖)は何かを知る
②イネイブラーがいるか、いないかを知る
③自分が誰かのイネイブラーになっていないかを知る

また愛着障害の要素も底つきまでいってしまう要因が潜んでいると考えています。自分の愛着パターンを探ってみるのみ一つの改善へのアプローチだと知ってほしいと思います。

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