共感されることの重要性

共感されることの重要性

愛着形成セッションの中での重要なテーマの一つに、心の育て直しがあります。

心を育てなおす、とは、カウンセリングのプロセスで、子ども時代に本来培ってくるべき「心の経験」をやりなおすという意味です。

何らかの問題により、子ども時代にしなければいけなかった「心の経験」がないまま大人になることで、様々な歪みや問題があらわれてくるのが、今の社会の中で問題になっている、ほとんどの心の病の原因ではないでしょうか。

大人になってから抱える問題として

  • 外に出られない
  • 恋愛や薬物お酒に依存する
  • 仕事が続かない
  • 家族間でのトラブルが多い
  • 人間関係が不安定
  • 家族間でのトラブルが多い
  • 家族や恋人など身近な人への怒りや恨みがある
  • 自分のことが分からない

このような問題を抱えている人の多くには、生まれてからその問題を抱える今、にいたるまでの間に得られなかった「心の経験」が共通していくつ存在しています。

その中の一つにとても重要な心の経験として、「共感してもらう」という経験があります。

すこし話がそれますが、保育士の方々が保育の指針とする「保育所保育指針」というガイドラインがありますが、この「保育所保育指針」の中には、子どもの「情緒の安定」っていう項目があります。

「情緒の安定」のために何をするかという部分には、こう書かれています。

「一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。」

「気持ちを受容して」
「共感しながら」
「継続的な信頼関係」を築く

と、書いてあります。つまり、これができていないと、情緒が安定しませんよ、気持ちの不安定な子どもになりますよという意味です。この心の経験がないままに大人になる事は、メンタル的な問題において、とくに愛着形成の観点でも、大きな起因だと感じています。

ある大人が、精神安定剤とか飲みます。

なぜ飲むのか? それは、「情緒の安定」が自分の力ではできないからです。そもそも、「情緒の安定」がどういうことなのかが分からないのです。

私は精神科医ではないので、その問題を薬で解決することはできません。しかし、「情緒の安定」がどういうもので、どうしたらできるようになるのか、ということをお伝えし、経験するというプロセスに関わることができます。

そして、さらに大切なのことがあります。

それは、そもそも「情緒が安定」しないという状態が、人によってまったく異なるということ。情緒の不安定さをあらわしている状態がどんな時のどんな様子になった時なのか、それをご自身が、周りの人が把握することも、非常に重要な要素です。

つまり、「情緒が安定」しない原因とその結果の状態を知るということです。

  • 「仕事のことが気になって夜もまったく眠れません。だから、情緒不安定です」なのか、
  • 「子育てが辛くて、毎日お酒を飲んでしまいます。だから、情緒不安定です」なのか、
  • 「恋人とうまくいってなくて、仕事を休んだり、集中できずにいます。だから情緒不安定です」
  • 「大切な家族、友人が突然亡くなってしまい、今とても悲しいです。だから情緒不安定です」

このように「情緒不安定」といっても、原因となる問題の深刻度とその結果としての行動パターンは、ご自身の心の経験度によってちがってくるのです。まずは、「情緒が安定」しない原因やその結果から起こる状態を、まず自分で認識することから始めます。

そして、それについて、「保育所保育指針」にこうあります。

「常に今起きていること、子どもが現在直面していることに、一緒になって興味・感心を示す」

「今、起きている問題」「現在、直面していること」に、「常に」「一緒に」「関心をしめす」「興味をもって見たり聴いたりする」ことが必要なのです。

大人バージョンに言い換えれば、「共感をもって、一緒に、問題に向き合う」ということですね。

言葉で書くと、非常に当たり前のことですが、実際にそれが出来ているかと言われたら、どうでしょうか。自分の見解や主張を伝えたい一心に、相手の気持ちに共感しながら、向き合っていますか?伝えることの方を優先していないでしょうか?

心理学者のゴールマンさんもこう述べています。

「共感というものが、情動の自己認識の上に成り立つものである。」

自分の情動を認識するためには、その情動に対する「共感」が必要だということを言っています。また、コーネル大学医学部の精神科医であったスターンさんはこう書いています。

「自分の感情は、共感を持って受け止められている。自分は受け入れられ、相手にしてもらっている。と感じるプロセスを、自己感の発達理論の概念として情動調律という。」

ネガティブな自分の内側にある情動は、そばにいる誰かに読み取られて、感じ取ってもらうことではじめて、そのネガティブな情動を自分で調整しようとすることができる、そうなんです、そういうことなんです。

大人になってから表面化する問題の原因は、この経験の有無まで遡る必要があると私は思っています。

自分でもどうしていいのか分からない、つまずきや生きづらさ、日常生活の中での悪循環に苦しんでいる人たちが、圧倒的に得られなかった幼少期における経験、それが、この身近な大人たちに「共感をもって受け止めてもらう」経験です。

逆をいえば、子ども時代に「共感してもらう」っ経験をより多くしてきている人は、自分の感情をコントロールするのが上手ですし、ストレスに負けないタフな心を保てる術をもっています。なぜなら、周りの人たちに、自分のありのままの感情をそのまま受け取ってきてもらったから。

もしも、今、あなたが情緒不安定で悩んでいたら、まずしてほしいことがあります。

それは、その不安定さがどこからきているのか、どうしてそうなったのか、それを誰かに思うがままに話すことです。そして、その話をただただ聴いて受け止めてもらってください。そこには、一切の判断はいりません。ただ、聴いて受け止めるだけです。

「共感すること」「共感してもらうこと」、これは、あなたを、そしてあなたの大切な人を支えるとても大切な心の経験です。

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